京都市指定文化財
岸駒堂は岸駒像を安置するために建てられた小堂で、心城院本堂の北側にあります。
当建築は大正12年の建築で、設計者は阪谷良之進です。彼の手がけた建築物には、知恩院納骨堂、平安神社大鳥居などがあります。
堂は、低い基壇上に建ち平面は正方形とし、内部を前後2区に分け、前方を吹き出しの拝所に、後方を内陣とし像を安置しています。そのような形の小堂はあまり例がなく貴重です。
また、細部の造形は、文化財修理技師であった阪谷の意向で古代や鎌倉時代の意匠を取り入れた復古主義的な面があります。当建築は、その伝統意匠を再解釈の上、新しい造形との融合を図ろうとする古建築技術者の意欲の感じられる建築物です。